ちび太とゴリさん。


ちび太は私が言葉を発するよりも先に話しだした。



「ゴリさんに、相談もしないで。俺、本当バカだし、人間のクズだし。本当にさっきは、ご、ごめんなさいっ!!」



ウルウルした瞳で私に謝った。



「……違う」



「俺、他にも嫌な思いさせてた…の?俺って本当情けない…」



私がもっと早く、いらないプライドなんか捨てて素直に自分の気持ちを伝えられればよかったのに。



ずるずる引きずるから、ちび太を不快な気持ちにさせているんだ。



私はココアを一口飲んで、言葉を発した。



「ちび太に悪い所なんて1つもない。私が悪いんだ」



「えっ……」



ちび太の驚く声が耳に重く響く。

私は、コップを握る手を強めた。



「その……さっきは、ありがとう。そして、お世話になります」



ちび太の目を真っ直ぐ見て、気持ちを言葉にする。



すると彼は子犬のように目をキラキラさせ、可愛く笑った。

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