鬼が往く
沢渡 銀二(さわたり ぎんじ)。

金髪にピアス、ポーカーフェイス、黒のジャージにスニーカー。

何処にでもいそうな若者だが、東京歓楽街で、彼の名を知らぬ者はいない。

始まりは1ヶ月ほど前だった。

東京の一角、渋谷に新興のストリートギャングがシマを広げ始めた。

『DEAD CROW』と名乗るチーム。

クスリ、レイプ、リンチ、強盗、何でもありのチームで、限度を知らない無茶をやらかす事から、警察や東京のヤクザですら、努めて関わり合いになる事を避けていた連中だ。

ある夜、DEAD CROWのメンバー数名が、銀二に因縁をつける。

リンチして、金でもせしめるつもりだったのだろう。

…その夜のうちに、DEAD CROWは壊滅した。

50人からいた怖いもの知らずの凶暴なストリートギャング達が、銀二1人の手で全員病院送りにされたのだ。

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