秘書と野獣
特別番外編

モチはやくもの? 食べるもの?




「おねえちゃん達ってケンカすることとかあるの?」



猛さんが休日出勤のため一人となったとある日曜日。
だったらうちに遊びにおいでよとの莉緒の呼びかけに甘えさせてもらい、可愛い姪っ子にこれでもかとマイナスイオンをもらった後のこと。手土産に持参したチーズケーキを一緒に食べようとしていたところで思わぬ質問が飛んできた。

「え…? ケンカ…?」

「そう。おねえちゃん達ってながーい付き合いだけどさ、ケンカしたこととかって多分ないでしょ? お小言みたいなのはあってもさ」
「ま、まぁ…」

言われて思いつくのは2人が心をさらけ出したあの時くらいだろうか。

「で、いざ夫婦になってみてどうなの? やっぱり一緒に生活するようになると初めて見えてくることってあるじゃん。何か不満に思うこととか、ちょっとケンカしたとか、そういう話ってないの?」

身を乗り出すようにして聞いている莉緒の目の輝きようったら。
そんなにバトルエピソードが聞きたいのか。

「ん~、ケンカかぁ…。多分ないんじゃないかなぁ」
「えー、全く?」
「うーん…。ほら、莉緒も言ってたように付き合い自体は長いでしょ? だからお互いの性格の大部分がわかってるっていうか。ケンカにならないって感じなのかなぁ…」
「へぇ~」

明らかにつまらなそうにされるってどういうことよ。

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