二人の距離15cm





入学式にはもう噂が経つほど、先輩の人気は圧倒的だった。









それ以上に噂が広まったのは先輩がかなりのプレイボーイだからだ。









女を引っ掛けてはやり、捨ててはまた引っ掛けて、正式な彼女の情報は無いらしい。










そんな先輩だからいつも女の子に囲まれていて、遠くからでもあの集団は先輩だってほとんどの人が分かるようになるまで一週間かからなかった。











たまたま入った高校が先輩と一緒だと知った時嬉しかったのとは反面、先輩が変わりすぎて、話しかけられなかった。










そもそも初めて会ったのは中学1年生の頃で、あっちは覚えてないだろうけど。










あの時は優しさで溢れた人だったのに。











だから知りたかった。










近づいて自分の目で、先輩なのか確かめたかった。











でも結局分からなかった。










先輩は拒まない主義だから、私を抱いたなんていくらばかでも分かる。











だけどこんな地味の塊な私を抱いてくれたのは優しさも混ざってると思うと信じてる。









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