約束ノート
「…どこか痛いところある?」

医師の沢尻直樹は、健太の体に触れようとした。

「やだ!」

健太は沢尻の手を押し退け、ベッドから飛び降りた。

体に繋がっていた点滴が、床に大きな音を立て倒れ込む。

「大丈夫だよ。怖くないからね。先生はお医者さんだよ」

沢尻は逃げ惑う健太から距離を保ったまま、優しく微笑み掛ける。

健太は怯えながら沢尻を見詰めた。

「お名前はなんていうの?」

沢尻は優しく問い掛ける。


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