W.O.R.L.D'END
1章 開始。
2020年3月26日

店員「ワダヒカル様お待たせ致しました。ご予約されていた商品になります。」



2016年に発売されたVRゲーム機の新作ソフトを受け取り店を出た。



いままでのVRゲームは視界で楽しむ物だったが今回発売された



【W.O.R.L.D'END】



このゲームはいままで通りの視界と新たに付属のアンテナのような物を、VR機に付け脳に直接情報を与えて、いままで以上にリアルな世界を楽しむことができるゲームだ。



ソフト自体の内容は
自分以外のほとんどの人間がゾンビ化して戦い、そして脱出するゲーム。



どこにでもありがちなゲームだが、しかしリアルに体験出来るというのがこのソフトの醍醐味だろう。



店から家までは100m程だが
我慢する事が出来ず袋に包まれた
ソフトの箱を取り出す。



おもて面には大きくソフトのタイトルが書かれている。



裏面には大きくこう書かれている。




〜世界の終わりを経験。いままでのゲームとは何かが違う!!〜




文字の下にはゾンビと立ち向かう人が銃を構えて戦っている絵がある。



早くやりたい。



自然と歩く速度も上がって
早歩きになる。
朝早起きして並んでやっとの思いで手に入れたゲーム。



17歳で高校生の俺はまだ春休みで
入学式までの5日間ゲームをやり込むつもりだ。



自宅であるマンションに着き
いつものようにオートロックのパネルにカードキーを差し込む。



部屋は2階なのでエレベーターを使わず
階段で登る。



部屋もオートロックなので
カードキーを差して小さなパネルに
暗証番号を打ち込んで
サンダルを脱ぎ捨ててすぐさま自分の部屋に向かった。



部屋に入ってゲーム機の電源入れた瞬間



プルルルルルル



ポケットに入っていた電話が鳴る。



ディスプレイを見ると
【タクト】



直ぐに電話に出る。



俺「もしもし。」


タクト「ヒカル!W.O.R.L.D'END取りに行ったか!?」


俺「当たり前じゃん!朝から並んで1番に受け取ったよ!」


タクト「だよなー!俺もさっきもらってよ!」



同級生のタクトは小学校からの幼馴染で
高校は別々だが、今でも仲良く遊んでいる。



タクト「ヒカル!このソフト今日の夜の12時からオンラインが解放されるらしいから、一緒にやろうぜ!」



俺「もちろん!けどまずはゆっくりソロプレイで操作に慣れさせてくれよ(笑)」



タクト「わかってるって!じゃあよ12時になったらオンラインにログイン出来るみたいだから
どっかで落ち合おうぜ!またゲーム内チャットに呼びかけっからよ!」



このVRゲーム機には電源を入れたらオンラインにログインすればチャット機能が付いていて
視界の右上にチャットが映し出される。



俺「OK!じゃあまた後でな!」



タクト「おう!後で!」



通話を切ってすぐに電話はポケットにしまった。



よし!やろう!



ゲーム機本体の電源は入れていた為
視界のコントローラーになるVR機の横にあるUSB差込口に細い付属のアンテナを頭にはめ込む。



このアンテナが特殊な電波を読み取り、音となって脳に情報を与えるらしい。



はめ込んだら視界はいつものデフォルト画面で、W.O.R.L.D'ENDを始めるには
ソフトの箱に入っているシリアルナンバーを打ち込まなければいけない。



普段操作するコントローラーを持って
視界に映し出されているメニューの
1番下にあるシリアルナンバーというタグを押す。



そこには15桁の英数字を打ち込んでくださいと書かれている。



ソフトの中に入っていたシリアルナンバーを見ながらそこに打ち込みOKボタンを押す。



【このゲームはVR機をしっかりと装着し付属のアンテナを装着して開始してください。】



改めてしっかりと装着されているか確認する。



問題なし。



再びその文句の下にあるOKボタンを押す。



【それではゲームを開始します。ソフトのインストール中です。しばらくお待ちください。インストールには3分程かかります。】



短っ!!!



と思ったがゲーム自体も新しいから
そこらへんも早くなったのだろうと思って終わるのをそのまま待つ。



【お待たせ致しました。ゲームを開始します。】



よし!始まる!!!



【特殊電波取得開始】



その瞬間目の前が真っ暗になり
頭の中に電気の様な物が走った様な気がした。
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