タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
車を駐車場に停めヒールに履き替えて外に出ると、そこは3年前と全く変わりない風景が広がっていた

実習初日ということもあり、張り切って少し早めに着いた学校は、まだ生徒たちはほとんど来ておらず、静けさが際立っていた



教員用玄関で靴を履き替え、スリッパを拝借し、私は慣れた足取りで職員室へと向かった

3年ぶりでも意外と体は覚えているもので、まるで今も在学生として登校しているように感じる



職員室のドアを開けると見慣れない先生と目が合った

見知らぬ女性が訪ねてきた事に怪訝な顔をされるが


「今日からお世話になる教育実習にきた者です」


と説明すると、合点がいったように「朝早くから気合入ってるなぁ」と言いながら鍵を渡される

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