タバコと数式は思い出の中に ~私の好きな人は先生~
「どうして葵ちゃんが泣くの…」
「どうしてかしら…。でも私も泣きたくなったの」


いっぱい泣けば良かった

もっといっぱい泣けば良かったと思っていた

彼女には私と同じようになってもらいたくない

こうやって私の中に今も残る感情は、私が諦めが悪いからなのだろうか

でも、そうだとしても

もっと泣けば良かったとずっと思っていた


「いっぱい泣いて、泣いて。泣き終わったらいっぱい笑いなさい。そしたら絶対いい恋がすぐにできるから……」


まるで自分に言うように、私はそう呟いた


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