湖都子のポエム7
お前が一緒なら……

オレは知っている

お前の本当の姿を知ってるのは……

まだお前を見ていたかった……
大切な人にきづいてしまったあの時から……

お前が一緒ならどんなことも恐くないから……

でも全然男として見られてない自分が悲しくなる
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美緒がきてから、家に帰るのが楽しくなった。一緒にいられるだけでうれしかった。

美緒がまた寂しくて泣く顔なんて見たくないから……仕事が終わると、真っすぐ家に帰る。だけど、美緒はいなくなった。

電話がかかってきた。仕事帰りに会う約束をした。

美緒を駅まで迎えに行った。しばらく待ってると美緒が出てきた。でも、1人じゃない。知らない男と一緒だった。美緒は悪いことなんてしてない。だけど、胸の奥が痛んだ。

美緒がきづいた。男と別れて……
「迎えにきてくれて、ありがとう……」
「さっきの男は……?」
「たまたま電車で会ったの。前にお手伝いさんの仕事をしてた家の息子さんなの……」
「そうか……」
結構かっこいい男だった。あの男……きっと美緒を好きなんだ。美緒を見つめる目が、恋してるって語っていたよ。美緒は、何も気づいてないみたいだけど……
だから、俺のヤキモチは絶えない。
「何が食べたい?」
「うんと……スパゲッティーがいいな」
女の子に人気のあると聞いたことのあるイタリアンの店に連れていった。
「こんなお店知ってるんだね。私じゃなくて、他の人ときたほうがよかったんじゃ……」
「美緒ときたかったんだから、そんなの気にするな」
周りから見たら、俺達はどう見えてんだろ……

俺の気持ちに、全然きづいてない美緒……だから、こうやって一緒にいられるんだろう……な。どこかおもしろくない……

今日が何の日か、忘れていた。
「誕生日おめでとう」と、プレゼントをもらった。誕生日祝いなんて、いつ以来だろう……あぁ、母さんが亡くなる前に2人から祝ってもらって以来……だ。

やっぱり、美緒は優しい。嬉しすぎて、信じられない。美緒の優しさ……をもっと感じさせて……寄りそいたいけど、苦しい……
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