恋人未満のルームメイト(大きな河の流れるまちで。リメイク版)
リュウは
「莉緒ちゃん」
と少女の名前を呼ぶ

「君のお腹の中には赤ちゃんがいるね。分かっていただろ?」と、静かに聞く。


「そして、赤ちゃんはもう、外に出たがってる。
君は、この子を無事に産まなくちゃね。
僕たちが手伝うから、一緒にがんばろう。
アフリカでは君とおなじくらいの年齢で赤ちゃんを産むのは珍しい事じゃない。
僕は何度かお産に立ち会ってるから大丈夫だと思う。」とにっこりした。

そして手を洗ってくるよと少女に告げて、少しその場を離れる。

私はリュウの後を追う。

「リュウ」と声をかけると振り向き、私の手を握る。
「さすがに緊張するな。
ベビーが無事に生まれる事と、母体に異常が起こらないことと祈って。」と私の耳元で言った。

私が
「リュウ先生は大丈夫。きっと上手くいく。」と言うと、

私の頬をムニっとつまみ、ニッコリして、処置室に戻って行く。
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