あの日失った想い
落ち着いたころは、大分先だった。


私は、寒さも忘れて、ずっと泣いていたみたい。あのときのように。



「落ち着いた?」


仁美が優しく笑いかけた。



「うん。ちゃんと決意が固まったらちゃんと郁麻に会いにいくね」


「おう!」



仁美とハルを見ていたら、元気が出たなぁ。



「ねぇ、2人とも」


「ん?」
「どうした?」



私は2人の目の前に立った。


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