あの日失った想い




屋上の扉を開けたとき、視界が開けたように太陽が私の目を眩ませた。




もう1度目を開けたとき、私を何度も救ってくれた、私の愛する背中があった。




「郁麻」




私は彼の名前を呼んだ。彼は私に気づいたらしく、こっちに振り向いてくれた。




「由佳里」




何度も彼の姿は見ているはずなのに、何度もかっこいいと思ったことがあるのに…



今みた彼の姿は今までで1番かっこいいと思った。





「本当に郁麻だよね?」




1歩ずつ、大好きな彼に近づく。彼はクスッと笑っていた。




「あたりまえだ」


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