あの日失った想い
この音…間違えない!仁美だ!




近くにいるんだ。




仁美は〝 テナーサックス〟と言う中音域担当の楽器だった気がする。


よく分からないけど。




私は一目散に階段を駆け上がり、2階の廊下を見回した。




いた!向こうの角に、仁美が!



「仁美ーー!」



廊下をドタバタ走った。仁美は遠すぎて表情は見えなかったが何か叫んでいた。





「え?由佳里!?…雨の日の廊下は走らないほうが






………………遅かったか」






案の定、彼女の言う通りズッコケた。




痛いじゃないか……

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