あの日失った想い
「仁美、前にさ“曲の雰囲気は情景を思い浮かべる”って言ってたよね。




惜しくも班は違うけど、この京都の人気スポット見て




曲に使えないかなって考えてみたら?」




「…」




知ったふうな口きいてごめんなさい。




仁美、でも私はあなたを応援したいの。





「言ったでしょ?仁美のサックスはかっこいいって」





私は誇らしげに頷いた。やっぱりこの言葉に根拠はない。





仁美が黙っている。私、動揺させてしまったかな。





少し心配していると仁美は静かに口を開いた。



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