てるてる坊主にコロサレタ
「ありがとね」


わたしはてるてる坊主を2つ並べて奈穂実に向けると、感謝の気持ちを込めてペコリと頭を下げさせた。


「まさか、私にそれを作るように仕向けたの? 」

「さぁ、……どうだろう、ねー? 」


わたしはてるてる坊主を自分に向けると「ねー? 」と言い聞かせるように頭を傾けた。
まっさらで無表情なてるてる坊主達。
そろそろ顔を書いてあげようかな。


「美晴、それを返して」

「え、いやだよー。せっかく奈穂実が作ってくれたのに、ねぇ実宇子ちゃん」


わたしの言葉に実宇子がビクッと体を震わせた。
次は自分の番だと分かってくれているみたい。
そうやってたくさん怖がってくれて、本当にうれしい。
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