マドンナは社長秘書室勤務


「そこまでしないと駄目ですか?」

「まあ、日和ちゃんならなんだって似合うから普段着でもとっても素敵よ?それでも日和ちゃんだって社長にとびきり可愛いと思われたくないかしら?」


田神社長に…。


「可愛らしい顔をしちゃって」

「だって阿室さんが」

「いいじゃないの。もうこんな時間ね」


休憩が終わり30分後。

社長室から出てきた田神社長と田神室長は今から名古屋支社に向かう。

立ち上がりお見送りをする中で田神社長が目の前を通る。

一瞬。

ほんの一瞬、田神社長と目が合う。

そして…


「いってらっしゃいませ」


微かに頷いた。

それはあのメールの返事。

きっと、いや、確実にいってらっしゃいませに対する返事ではない。

何故ならいつもはしないから。

ドキドキと鼓動する胸は本当に田神社長とプライベートで会う現実を知って。

私、本当に田神社長と日曜日に…。


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