story~出逢いの奇跡~
あの人はひたすら歌ってくれた。
歌う事を勧められたけどこんな上手な人の前では歌えない。
だからひたすら聞いていた。


そして私の大好きな曲。

~出逢いの奇跡~

マイナーな曲だけどたまたまラジオから流れて来て気に入った。

貴女と出逢えたのは数億分の奇跡。

歌詞の1小節。

いつか私もそんな奇跡の出逢いを心待ちにしていた。

それが振られた相手かも知れないと思っていた。

でも違った。



透き通った声とメロディー、歌詞が心に染みた。
この人が作った曲と錯覚するように。

ふと気がつくと涙が流れて来た。


歌い終わるとあの人は私にそっとハンカチを渡してくれた。

「ごめん。選曲ミスだな。」


「違う。この曲昔から好きで、貴方の透き通った声とメロディー、歌詞がマッチしてて泣けて来ちゃった。」

そう言うとあの人はありがとうといい私の背中をさすってくれた。

とても暖かい温もり。
気がつくと私は寝てしまっていた。
< 19 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop