俺様室長は愛する人を閉じ込めたい~蜜愛同居~
「どっちって?」
大輔は質問の意味が解らないといったようで、塔子を見つめた。

「昔のふわふわした女の子の私と、今みたいな……可愛げがない……。昔の方がよかったよね?」

大輔は塔子の言いたい事の意味を悟り、クスリと笑みを漏らした。

「なあ、もしかしてあの子を見て俺のタイプが昔の塔子だって思った?」

「うっ……」
不安を的確に言い当てられて、塔子は言葉に詰まった。

「なあ、塔子。お前一つ間違ってるよ」

「え?」
大輔の言葉に塔子は驚いて顔を上げた。

「今も、昔も塔子は塔子だよ。昔はただ見た目がふわふわしてただけで、中身は結構意地っ張りだったし、素直じゃないし、一度言った事は曲げないし……」
笑いながら言う大輔の言葉に、塔子は少しムッとしながらも話を聞いていた。

「それに俺は塔子の外見を好きになった訳じゃない。今は可愛げが無いって?そんなことないよ」

「そうよね。今の言い方だと昔も可愛げがなかったってことだよね……」
落ち込むように言った塔子に、
「だから、昔の塔子が好きだったんだから、今の塔子も好きだよ。それに……俺が好きなのは、いつでもどんなことでも真っすぐで、自分の事より人の事を考えるそんな塔子だよ。塔子のすべてが俺にとっては特別なんだ。他の人じゃダメだったんだ」

「だいちゃん……」


< 137 / 147 >

この作品をシェア

pagetop