特別な君のために
思い ~Prologue~

「美冬(みふゆ)」

大好きな優しい声が聞こえる。

「美冬のことが好きだよ」

そうだよね。
私も大好きだよ。


でも、時々それは嘘じゃないのかなって
疑ってしまう。

私より大切で、守るべき人がいるよね。
私はひとりでも大丈夫だからって
いつだって後回し。

私って、ひとりでも平気に見えるのかな?
だったら、その期待に応えなくちゃ。
大丈夫、私は大丈夫だから……。


行き場を失った「甘えたい」気持ちは
ずっと探していたんだね。

私だけの「特別な人」を───


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