特別な君のために
厭おしい

ネットカフェのいいところは、自分たちの趣味に没頭できるところだと思う。

みんなだいたい個室にこもっていて、ドリンクのおかわりの時や、漫画本をまとめて何冊か借りる時だけこのフリースペースにやって来る。

私と奏多先輩が端っこで話し込んでいても、誰も気にしない。

白いテーブルの上に、紙コップがふたつ、カエルの兵隊さん達が五匹。

そのうちの一匹、衛生兵は今、奏多先輩が持っている。

何となく手持ち無沙汰だったので、私もカエルの新人兵——多分これも二等兵だと思われ——を持って話に臨む。


「さっきのたとえ話に出しましたけど、ニートの兄とイラストを背負った父と自閉症の妹、決定的に違うことがありますよね」

いきなり核心から話し出すことにする。

「ああ……生まれつきのものか、後天的なものか、という違いか?」

「そうです。自閉症は本人の問題とか、育て方の問題ではないって言われています」

「うん。わかる」

「だからこそ、重いんです」

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