添い寝は日替わり交代制!?
12.トラブルは突然まとめて

 他にも家事の分担なんかを決めていると、心春の携帯が鳴った。
 朝からなんだろうと思って見てみると陽菜からだった。

「陽菜………。」

 心春のつぶやきに佐々木課長が提案した。

「こんな時間ですし、急用かもしれません。
 出て差し上げたらいかがですか?」

 携帯とにらめっこしていた心春も陽菜のことが気になって佐々木課長に会釈してから、電話に出ることにした。

「はい……。」

『心春?ごめん!』

「え?何が?」

『昨日から彼の後輩が遊びに来てて、心春と佐々木課長のこと話しちゃった!!』

「あ、うん、そうなんだ。」

 陽菜も彼と同棲するためには心春の事情を話すのは自然のことだ。
 陽菜から話した内容を想像すると恥ずかしいけど。

『それがね、知らなかったんだけど、その後輩くんが心春の職場にアルバイトに行ってるらしくって。
 あ、ちょっと!!』

 え?私の職場に??え?

 心春が動揺していると何やら向こうも慌ただしい雰囲気になって、詳しい話を聞こうと携帯をギュッと握りしめた。

「それで?陽菜??」

『中島さん、宇佐美です。お疲れ様です。』

 え、えー!!!?

 返事をできなくて口をパクパクさせていると、心配そうにこちらを見る佐々木課長と目があった。

 ど、どうしよう。
 佐々木課長に報告しなきゃ。

『中島さん?聞いてますか?』

 その時、ガチャリと玄関のドアが開いた音が聞こえた。

 しかし動揺している心春が気づくわけもなく、その上、心春にもっと動揺することが起こった。
 佐々木課長が携帯を心春から取ると、止める間もなく「すみません。後ほど掛け直します」と電話を切ってしまった。

 え、あ、うわー。
 これじゃ本当に誤魔化せなくなっちゃった。

 オロオロする心春の腕をつかんだ佐々木課長にますます動揺すると「早く」と、佐々木課長の部屋に連れていかれた。

「すみません。急に。」

 そう言いながら部屋に一緒に入った佐々木課長がドアの内鍵をかけたのを見て、ゾワッと背筋が寒くなった。

 ど、どうしよう。
 職場の人にバレたからお仕置き的な?
 どうしよう。
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