添い寝は日替わり交代制!?
佐々木課長は人恋しいため添い寝をして欲しくてここに来たみたいだけれど、添い寝の相手は心春ではなく宇佐美くんをご所望だった。
添い寝できれば実は誰でも良かったのかな。
佐々木課長の真意が分からないまま心春は帰ることになった。
もちろん帰ると言っても佐々木課長のマンションに帰らせてもらうしかない。
佐々木課長がいないのに悪いような……と思う暇も与えられないように佐々木課長から「中島さんは私のマンションへ帰ってください」と告げられた。
よく分からないまま帰ることにした。
「待ってください。」
そう言った宇佐美くんが玄関まで歩いてきて、後ろから抱きしめられた。
まだ眠いのか頭を心春の肩に預ける宇佐美くんの髪がサラサラと首元に当たってドギマギする。
「添い寝できなかったんで、このくらいはいいですよね?
佐々木課長よりときめいてくれました?」
「こ、これは反則です!」
宇佐美くんを押しのけても顔が見れず俯く心春にいたずらっぽい声がした。
「反則事項が多いですね。」
年下なのに余裕そうな宇佐美くんが憎らしくて顔を上げると、玄関の奥の部屋からこちらを伺っている佐々木課長と目があってドギマギする。
抱きしめられたの見られちゃった………。
抱きしめられたドキドキよりも、佐々木課長に見られたことの方に緊張を感じながら騒がしい心臓と一緒に外へ出た。
「あの、お世話になりました。」
ドアを閉める前に小さくそう言うとお辞儀をして、宇佐美くんのアパートを後にした。