たとえこの身が焼かれてもお前を愛す
もやをかきわけるように進むと、人の声が聞こえてきた。


私の他にも誰かいる。


安堵すると、私は声のほうに進む。


良かった、大勢の人がいる。



「皆さんここで何をしてるのですか?」



「船に乗せてもらうんだよ」



「私も乗せてもらえますか?」



「あの人に聞いてごらん」


あの人?



ああ、あの杖を持った人。
< 238 / 296 >

この作品をシェア

pagetop