ダサ倉君に焦がれたい
10. その笑顔が見たい









どのくらい、エレベーターの前に突っ立っていたんだろう。

みんな、神妙な面持ちをしていた。

すばるくんがsandにいて欲しいという思いをひしひしと感じた。






「仕方ねぇ。しらみつぶしに行くか?」



「……だな。オフィス一つ一つ回るか」




そう言うメンバーの言葉にあたしも従おうと思った。





正直、sandの三人とあたしがいること自体間違っていると思う。

でも……

sandをやめないで欲しいという気持ちは同じだから。

あたしだけ帰るなんてことはしたくなかったのだ。







「つばさちゃん、ごめんな付き合わせて」




圭吾さんは心底申し訳なさそうに言うが、あたしは嬉しかった。

こうやって、すばるくんのことを教えてくれて。

そして、あたしのことを受け入れてくれて。


< 162 / 322 >

この作品をシェア

pagetop