ダサ倉君に焦がれたい
「悪いな、無理矢理二人っきりにさせて」
圭吾さんはそう言う間にも軍手をはめ、慣れた手つきで炭を並べる。
慌てて手伝いますと言ったが、女子はしなくていいとびっくりするようなことを言われた。
圭吾さんは先輩だし、何より有名人だし。
下手に火傷なんて負わせたらどうしようなんて思ったけど、
「俺、意外とアウトドア派なんだよな」
圭吾さんは人の良さそうな顔で笑っていた。
「そんなことより、アンタどうなんだ?」
意味不明な質問に、
「どうなんだって……」
思わず聞き返す。
すると圭吾さんは嫌そうな顔であたしに告げる。
「ダサ倉だよ」