*゚闇に沈む少女*゚

☆大阪力士乱闘事件☆




そして、6月になり




芹沢、近藤、井上、沖田、山南、永倉、斎藤、平山五郎、野口健司、島田の10人と僕が 大阪へ行く事になった。




壬生浪士組は自分達の名前を騙り、悪事を働く浪士の取り締まりを大阪町奉行から依頼されたのだ。





その取り締まりが終えた、僕らは
常島川で舟遊びに来ていた。




「斎藤さん。」




「何だ?」





斎藤さんは体調が悪そうな顔をしていた





「顔色良くないですね。」




「....。」





「良ければ、薬ありますけど飲みます?」





「....貰う。」





赤くてルビーのような薬を
斎藤さんが 飲んだ。





ここで、斎藤さんは腹痛を起こすと言われている。




斎藤さんが 倒れないかで 恐らく違う。






そして、斎藤さんは倒れること無く
晩酌を楽しんだ。

舟遊びを終え、鍋島岸に到着した。







曽根崎川に架かる蜆橋(しじみばし)を渡る途中、力士とすれ違い、力士がすれ違いざまに暴言を吐いた。




それに対して、腹を立てた芹沢さんが
その力士に鉄扇で攻撃しようとする。






「芹沢さん、ここは堪えてくれませんか?」




「俺に 口出しするな!」





最早、頭に血が上っちゃっていて
止められたいと思い




「失礼します。」






「なっ........ぐっ!!!???」





芹沢さんの鳩尾を殴り 気絶させた。





「おい、お前何を....」





顔を青ざめた面々が言う。





「....運びましょう。」





そして、吉田楼に泊まることになった。





本来なら 斎藤さんをここで介抱する筈だったのたが、今は 芹沢さんを介抱している。





すると...何だか 楼外が騒がしかった。






芹沢鴨は寝ているが
沖田さんや斎藤さんらで力士と応戦した。



力士が攻め込んだり、八角棒を振り翳してきたけど 僕は、全員気絶させて それらを縛り上げことを終えた。







そして、また夜は静かとなった。




僕は 晩酌で芹沢さんが気になってて
お酒飲まなかったので、庭の縁側で
月見酒を楽しんでいた。






―――――....ガサッ!!






足音がした方向を見ると、沖田さんの姿があった。




まぁ、気配は感じていた。






沖田さんは、僕の隣に座った。





きっと 僕の行動が気になったのだろう。






「沖田さんも 飲みます?」






「ありがとうございます。」




もう一つのお猪口を、沖田さんに渡し
お酒を注いだ。




暫く 沈黙の中、お酒を楽しんでいた。





「芹沢さんを 気絶させたのは、何故?」





「あの場で、芹沢さんを止めてなければ闘いになるからです。」





僕は 史実を変えてしまった。




別に、それでも構わなかった
いっそのこと 日本がこのまま進むなら




腐った未来を少しでも、平和な未来に....
変えてしまおうと思った。







斎藤さんが 腹痛を起こす前に治め、
芹沢さんを 暴走させないように....気絶させる事で穏便に済ませられるから。






「あなたは、何が目的なの?」





「芹沢さんは...貴方が思っているほど
悪い人じゃない気がしたからです。」






「え....?」





「新見さんも芹沢さんも、不器用なだけで
あなた方と同じように


....この壬生浪士組を愛しています。





初めに会ったとき、そう思ったのです。」







「....雛菊さん。」






沖田さんは切ない顔をした。






こうして、大阪力士乱闘事件は終わった。

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