*゚闇に沈む少女*゚

✡:。*傾き始めるもの*:。✡





僕....覚悟を決めた。





今日から僕が着ていた
この服を卒業しようと思う....





少しは、みんなの優しい思いに応えたいと思った
僕の過去や正体は明かせないけど 袴や着物を着ようと決心した。




目立つのが嫌いだけど、顔や髪が仕事道具に変装用の
カラコンとウィッグをすれば目立たない




のだが....呉服屋の場所知らないし
どうしようかと悩んでいた。





「紫陽花ちゃん、稽古の時間だよ?」





何も断りを入れず、襖を開けたのは
沖田さんだ。




何故か、沖田さんに懐かれている
最近 彼から声を掛けて来る。






「はい。」





返事をし、重い腰を上げて
沖田さんを追い 道場に向かった。




今日は、巡回の日ではなく 稽古の日なの
だ。





教えるのは....苦手なのだが
沖田さんは 竹刀を握ると人格が変わる。





鬼教官と言われても可笑しくないほど
厳しくて怖い。






僕は 別に平気だけど....
何時も この組の稽古が終わると隊士は死んでいる


まぁ、沖田さんの指導が
1番隊を強くしているのだろうとも思う。






「そこ、もっと腰を入れて!




君は、見極めが甘過ぎる....」






教えるのは自分の復習にもなるんだけど
余りにも 何というか....





裏社会を生き抜いてきた人間にとっては
彼らが、凄く生温いと思ってしまう。




少しは、喝を入れてやろうかな
そうでもしないと、新選組は何時までも強くならない。





「君たち、僕と試合をしよう。」






「....は?」






意味がわかってないようだ....
頭は使ってよ。






「だから、君たち全員 僕がまとめて相手するから 試合しようと言ってる。




実戦は大事だから、沖田さん…どうですか?」






「うん、雛菊さんの実力は確かだから学べることが多いだろうし
その提案 許可します。」






沖田さんの許可により、
僕VS1番隊の隊士全員で試合をすることになった。







君たちの実力が、どれ程のものか
叩き込んでやる…と言うことで、隊士たちと試合する形を取った。







「遠慮なく来なさい、これは試合ではなく
ここは今、戦場だと意識し全力で掛かってくること。





僕が女だからって、手を抜いて来た奴は
痛い目を見るから覚悟しろ。」




少し脅しをすると、ビビる隊士達
戦場ではそんな怯えている場合ではないのに
相手は刀だ斬られれば終わりなのだ。





確かに 長州藩との交流が多少良くなったが
それは、まだ一部に過ぎず新選組を恨む輩は
まだ腐るほどいる 何時、どんな時に狙われるかわからない。






時間は何時だって....待ってくれないのだから。






「さぁ、かかって来なさい。」





そう掛け声をかけると1人の男子が
攻めてきた。






―――――パシパシ....っ!!





そして、続く様に
ほかの奴らも 続く様に迫ってきた。







「遅い遅いっ、そんな判断じゃ即殺られるぞ
もっと気合を入れろっ!!




お前は、きちんと判断できてるんだから
後は 斬り掛かるだけだろ?



男なら度胸を示せよ!!





ここは戦場だ、一瞬の隙を出せば殺られるぞ。」






隊士たちを厳しくも出来るだけ
為になる様に指示を出す。




「はいっ!!!」





隊士たちは 汗を滲み流しながらも
必死で攻撃を仕掛けてくる。






「そうだっ!!




もっと来いよっ、お前らの力は
そんなものかっ!!?」






「―――っ!!」






1番隊の一斉強化は続き、立っているのは僕だけ。






「....これまでだな、君ら柔軟はきちんとしろよ?



体調管理も任務の一部だ、今日の稽古は終了だ。」





「はいっ ありがとうございました!!」





息を切らながらも挨拶をする隊士たち
威勢が良いのは嫌いじゃない。





「流石ですね、僕にも指導して欲しいぐらいです。」





「....俺も頼みたい。」






........え?




沖田さんの声が聞こえるのは 当然だけど


何処からかクールな声がすると思ったら
自主練に来ていたのか、斎藤さんまでいた。




しかも、目を輝かせていた。






「今でも構いませんよ、体力は余ってますから。」






「「ほんとかっ!!?」」






まぁ、2人とも威勢のいいことで....
と言うことで、この2人と試合することになった。






この時 隊士の皆は嘘だろっとゲンナリしつつも
もっと努力しなければとより、彼らの気持ちが引き締まった。





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