Snow is hot.
「湯タンポ持ってるみたいであったけ~」

それは良かった。

彼に会ったのは13年前。会ったばっかりの時は尻尾をよく引っ張って私に引っ掛かれていたっけ…。
2年前くらいから家に居ることが少なくなって、私と過ごす時間もどんどん短くなった。
一緒にいる時間が少ないから、彼の成長のスピードがとても速く思えた。

17歳になった彼はかなりの男前できっと人間の女の子達の人気もあるにちがいない。

「ただいま~」

暖かい家に着く。だけど彼から離れがたくてぎゅっとコートを握りしめる。

「まひろ、どうしたの?」

「にゃあ」

彼は顔をほころばせた。

私の気持ちを分かってないわね。

パッと彼から離れてさっき入ったばっかりのドアを出ていく。

「えっ…?」

戸惑いの声をあげて彼は私の後を追いかけた。

「そんなに雪が好きなの?オレ、寒いの苦手なんだけど…」

彼は苦笑いをする。

「にゃあ」

私と彼との間に雪がくるくると回って落ちていく。

彼は私のために寒さを我慢して、側にいてくれるだろうか?

この世界は分からないことだらけだ。

彼はこの先どんな人生を送るんだろう?

私はあと、どのくらい彼の側にいられるのか
な?

空にのぼってもまた会えるかな?


もし、生まれ変わったら今度は人間になりたいな。

私と彼との隙間を埋めたいから…

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