空の色をおしえて



「……仲良く校内デートですか」



呆れたような秋人の低い声で、はっと我に返る。
わざとらしいぐらい反射的に、隼人君から離れてしまった。


「ちがっ、ちがうからっ!」


「……そのクマ、隼人のだろ」


「う、うん、もらった」
「うん、あげた」

わたしと隼人君の声が揃う。




「……全然似合わねぇ」
と小さく呟くと、カーテンで仕切られたスタッフルームに引っ込んでしまった。

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