空の色をおしえて



「……ごめん全然意味がわからない。なんで突然そうなるの?」



「……いや……なんでもねーわ」




秋人はそう言うと、パンフレットで顔を隠して寝たふりを決め込んでしまった。


いつの間にか大音響だったライブが終わり、遠くからざわざわとした人の声が聞こえるだけになっている。

問い返そうかと思ったけど、どう言えばいいのかわからず、もやもやとした気持ちのままコンクリートの一点を見つめた。








< 120 / 315 >

この作品をシェア

pagetop