空の色をおしえて
「ごめん……。僕が余計なこと言わなければ、兄さんとケンカになることはなかったよね」
屋上での一件以来、帰り道はいつも隼人君と2人だけだった。
こんなに長く秋人と話さないのは久しぶりかもしれない。
「隼人君のせいじゃないよ。あの意固地な態度に、わたしが勝手にむかついただけだから。最近ちょっとおかしいよね秋人」
「うん。ほんとはね、クリスマスパーティーは兄さんと美咲ちゃん2人で行ってほしかったんだ」
とぼとぼと歩く隼人君の吐く息が白い。
寒そうに体を丸くしている姿が、何だか叱られた子供みたい。
「なんでよ~。みんなで行けばよかったじゃない。その方が楽しいよ」