空の色をおしえて
「美咲にとって菅波母の力は絶大なんだね。もはや神じゃん」
「そういう俗な話じゃないよ。憧れの人なの」
「ふ~ん、そういうもんかね。
あ、あたし彼氏が待ってるから先いくね!」
嬉しそうに綾乃はそう言うと、スカートを翻して小走りに去った。
その背中を微笑ましい気持ちで見送りながら、腕を上げて伸びをする。
気持ちだけじゃなくて、何だか体まで軽くなったかのように思えてきた。
きっともう大丈夫。
肩の力を抜いて、もう1度ここから始めよう。