【完】恋のおまじないNo.2
「ふーん。意味ないな、そんなんカウントしたらあかん」



「えっ…」



「キスは、焦らしてなんぼや!なんかいい雰囲気になってきて~、ふたりの気持ちが高まったときにするもんやで」




「いい雰囲気って、いつわかるの?」



「いつ…そんなん、感覚やん」



もしかして新羽くんは百戦錬磨の恋のスペシャリスト!?



この際、手ほどきを受けておいた方がいい?



「感覚…そういうの、あたしゼロかもしれない。先生!教えて下さい」



「ええで。ゆめちゃん、お子様やからな~。あ、俺カズマ役な」



ニコニコしながら、新羽くんがあたしの肩に軽く腕を乗せる。



「実践なの!?」



「ほんまにせーへんから。マネだけ」



って言われても…こんなに密着して、誰かに見られたら大変だよ。



「こんな風にな」



新羽くんがあたしを見つめて首を軽く傾けた瞬間、後ろに気配がして、一瞬振り向いた。



そのとき…悪夢が現実になった。


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