私の二人の神様へ




「用が済んだなら早く戻れ」



 やっぱり、さっきと同じように手で追い払われる。


 榊田君は優しいけど、こういうところはそっけない。


 もう少し、別れを惜しんでくれても良いと思う。


 私だけ、一緒にいたいと思っているのが悔しくて、つい可愛げないことを言ってしまう。



「言われなくても戻ります!明日は仁くんがたくさん甘えさせてくれるから、榊田君が冷たくても平気だもん!」



「フグみたいな顔で何言われてもな」



 鼻で笑う榊田君を無視して、アパートの階段を駆け上がった。


 本当に失礼でデリカシーのない人。


 怒りに任せてドアを開けたけど、いつものくせで門を見下ろす。


 すると、やっぱり榊田君がいた。


 優しいけど、そっけないし、デリカシーがない榊田君。


 だけど、私はそんな彼がやっぱり大好きなのだ。


 だから、いつものように手を振ってから部屋に入る。


 ドアを閉めると恥ずかしさから顔を手で覆い隠して、ひゃあ~と自然と口をついた。


 恥ずかしいことをしたけど、榊田君にちゃんと気持ちを伝えられたし、抱きしめてくれた。


 今日は、絶対良い夢が見られそうだ。


 でも、やっぱりなかなか寝つけなさそう、こんなにも身体中が沸騰するほど熱いから。












< 162 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop