私の二人の神様へ

私が口を挟む暇もなく、二人で話が進んでいるからすかさず割り込んだ。



「……水野。お前、どっちの味方だよ？」



「榊田君。仁くんと喧嘩しないって約束したでしょ？」



　睨み付けてくる榊田君に私は唇を尖らせ訴えた。

顔を合わせた途端に喧嘩をしているなんて、彼の頭から約束がすっぽり抜け落ちているのは確実。



「善処するとは言った。だが、無理だ。俺も仁と同じ空気を吸うだけで悪態をつきたくなる」



「なら冥王星にでも旅立て。そうすれば俺も小春も穏やかに暮らせる」



「はぁ？何言ってやがる。水野は俺がいなきゃ、穏やかに暮らせない」



「可哀想に。そんな妄想に浸らないとやっていけないんだな。同情する」



　哀れみの微笑を浮かべる仁くんに、榊田君の不機嫌さは二割増。


　またもや、私は会話から弾かれた。



















「……二人とも空気を吸わないでくれる？」



　地獄から這い上がってきたような最上級の笑顔を向けると、二人は黙ってこくこくと頷いた。