私の二人の神様へ




「もう四月から社会人だ。そもそも学生の同棲なんて今時当たり前だ。お前みたいな古臭い考えの人間は時代にも水野にも見捨てられる」



「……お前。それおじさんの前で言えるか?何なら、今すぐおじさんに電話して報告しても構わないぞ」



 榊田君はそれに顔を引きつらせながら、何も言い返せないでいる。



「もう。仁!意地悪しないの。小春さんが決めたことでしょ?」



「そうだ。その通り。こんな性悪親父は見捨てて、あかり。養子にくるか?」



 そんなことを言いながらあかりちゃんを持ち上げ、視線を合わすと、あかりちゃんは足をバタつかせて喜んだ。



「俊君、子供のあやし方が上手いね。というより、あかりが俊君に懐いてるのか」



「佳苗っ!!何て言うことを言うんだ!小春も考え直してくれ!!」



 もうほぼ悲鳴と言わんばかりの仁くんの絶叫に、榊田君の機嫌はすこぶる良い。



「あかり。お前はお父さんみたいな人と結婚したくないって大きくなったら言うんだぞ」



「お前!小春だけじゃなくあかりにまで。洗脳はやめろ!」



「思春期になったら、お父さんの洗濯物と一緒に洗わないでって言うんだぞ」



「榊田!!」



「小学に上がる前には、お父さんと一緒にお風呂入りたくないって言うんだぞ」



「榊田!!!」









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