私の二人の神様へ




 本当に、本当に、私はこの瞬間に弱い。


 何もかもを、心を、洗い流してくれるような気がするのだ。


 ほっとするのだ。



「……お前の彼氏は誰だよ?浮気だぞ。佳苗も何とか言え。こういうのを許してると、そのうち隠し子が現れたりするんだ」



「それはお前だろ。まぁ、小春の可愛さに浮気する気も起きないだろうが、根本は女にだらしない」



「仁。俊君をイジメてる暇があったら、卵買ってきて」



 卵焼き失敗しちゃって、と頭を掻く佳苗さん。



「そんなの榊田に行かせ……いや、俺が行く。小春」



 そう言って立ち上がる仁くんと一緒に私も慌てて立つ。


 二人で行こうという仁くんの誘いを私が断れるはずもない。


 是非、お供について行く。



「はぁ?ちょっと待て、俺も行く!……あかり、泣くな!」



 榊田君がベビーベッドに戻そうとした途端、あかりちゃんは泣き出した。


 本当に、榊田君が大好きなあかりちゃん。


 これは初恋の相手が榊田君になりそうだ。


 慌ててあやす榊田君に手を振り、二人でリビングを出た。















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