私の二人の神様へ




 佳苗さんとメールのやり取りで急遽決まったのだ。


 毎年、仁くんには買ったチョコを渡していると聞いて、チョコ講座を思い立ったのだ。


 仁くんに私と佳苗さんが共同で送る。


 これほど仁くんが喜んでくれるチョコはないと思う。


 バレンタイン当日は平日だから、今日作って仁くんに渡す。


 失敗は許されない、大プロジェクト。


 幸い、鍋底が少し焦げただけで大丈夫そうだ。


 私も凝ったチョコは作れない。


 だから、大したチョコ作れないよ、と仁くんに言ったのに、彼は嬉しそうに頷き心待ちにしている様子。


 相当なプレッシャーだ。


 今も、キッチンへの立ち入りを禁止されているのに、あかりちゃんを抱えながら周りをうろうろしている。


 対照的に、榊田君はソファーに寝そべっている。

















 チョコを冷蔵庫に入れ、仁くんの腕に抱かれたあかりちゃんに触れた。


 本当に、全てがふにふにしていて可愛い。


 ずっと見ていても飽きない。



「しかし、すごい腹が出てるよな。佳苗と良い勝負」



「…………」



 デリカシーのない榊田君は無視だ。



「見てみろよ。肘にこんなに肉がぶよぶよしてるぞ。抓っても何も感じなさそうだな」



「…………」



 無視だ。


 無視。



「この足も肉がぶよぶよ。少しくらい引っ張っても問題ないよな?ついでにこの腹も叩いてみたい。良いか?佳苗」



 佳苗さんの前に私の堪忍袋が切れた。



 「榊田君!こんな天使みたいな子を抓るなんて鬼みたいなことを良くも平気で!」



「知的好奇心は止められない」



 知的好奇心!?


 言葉の乱用も甚だしい。




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