浅葱色の忍

土方歳三

「山崎君に会えなかったわね
まぁ、妹さんに会えたから収穫ね!」


帰り道で、伊東さんは楽しそうに話す


その妹は、体調不良で倒れたっつーのに
全く心配とかねえのな



「烝華どんな具合だった?
顔色良さそうだったのにな」


「すぐに目を覚まして
体調も戻ったようだよ
急に倒れるから驚いたねえ」


かっちゃんから、烝華の無事が伝わる

あんな感じなら、確かに預けてた方が
山崎も安心だろうな






そういえば…






「慶喜様の用事、聞いたのか?」



「もちろんだ
三条に建てた制札の警護をして欲しいと
頼まれた」


「え?」 「は?」




伊東さんと多分、同じ気持ちかも




「近藤さん?札の警護って言った?」


「言ったよ」


「はぁ~ 近藤さんって、本当
お人好しなのね」


「引き受けたんなら、やるしかねえな」



ニコニコして、あまりにも嬉しそうな
かっちゃんを見る
慶喜様に、褒められたのだろう




屯所に戻り、誰に頼もうかと
まずは、仕事内容を話した



「へぇー!面白そうだな!俺がやる!」



面白そうってのは、気に入らねえが


大体の奴が嫌がる仕事をやると言い
手を挙げるのは、いつも原田だ



「面白そうだろ!な!?やろうぜ!!」


「え!?俺?」


武田が巻き添えになり



なんだかんだで、永倉が手伝う





予想通りに、手柄を挙げ


何度も抜かれた制札を守り

下手人を捕らえることに成功した







本当、頼りになる奴らだよ







「ぎゃははははっ!」


「やめろーー!!」


「わっはっはっ!平助!まだまだだな!」





原田と永倉が藤堂と遊んで
うるさくしなければな…




「るせぇー!!」




「「「わぁ!!!」」」



「土方さんが1番うるさいですよ」



3人が俺の声に肩を上げる


俺の後ろには、いつの間にか総司がいて


呆れ顔で俺を見やる




「山崎君、まだ帰って来ないんですか?」


急にさみしそうにする



「なんだ?
さみしいなら、俺が遊んでやろうか?あ?」


「僕は、山崎君とお話ししたいんです
土方さんと話して、何が楽しいの?
そんな冗談に付き合ってられません」




プイッと、去っていく




そんな俺をクスクスと笑う3人を
結局いつもどおり、追いかけ回り
拳骨をお見舞いする



いつもと違ったのは




ゴンッ




「歳!!いい歳して、追いかけっこなど
屯所の中でするな!」



かっちゃんに拳骨をされたことだ











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