浅葱色の忍

近藤勇

烝が屯所に顔を出した

酷く疲れている


「大変そうだね」


「こんなに長引くと思ってなかったんで…」



「めどはついてんのか?」



「慶喜が、将軍になりたくないって言わなければ、すぐ帰れるけど
言うでしょうし
正直、将軍には向いてないと思ってるんで
どうしよっかなぁって…
何か良い知恵ありません?」



歳の顔をジッと見る



「渋沢さんつければいいじゃねぇか」


「渋沢は、慶喜の弟につける
育てて貰いたいし、渋沢自身も
もっと出来るはずだから
異国にやりたくて」


「へえ 異国の言葉を喋れるとはすげぇな」


「渋沢は、喋れませんよ
だから、通訳として俺に医学を教えてくれた人の息子を口説きました」


「そいつは……異国人か?」


「そうですけど」


「じゃあ、山崎喋れるのか!?」


「まあ」


「くっそぉ!負けねぇぞ!!」



原田君が悔しがる理由がよくわからんが
元側室で顔が広いことも
学があることも、人を見る目があることも
わかっていたが、やはり凄いな



「聞いてもいいか」


「何です?」


「何で渋沢さんと俺達を会わせたんだ?」


「局長と参謀の留守中に仕事を頼んだら
副長と沖田さんがくることは予想がつく
渋沢に足りないのは、人を信用するとか
絶対といえる信頼関係を築こうとしてないこと 良い見本になってもらって
助かりました!」


「お前の機嫌悪いとこ見れて面白かった
クククッ」


「疲れるんですよ… 
アレ、ずっとやってますから…」


力無く言う姿が、可哀相でたまらん



「猫被ることねえだろ」


「ありますよ!
たまに現れて、小言ばかり言うんだから
嫌われるのはいいけど、なめられたら
困るんです!」



すっかり喋り方が、戻ってしまっている

まぁ、私の前だけでいいけど



報告会が終わると



「山崎君!一緒に大福食べよ!」


「ん お茶持ってくわ!」




どうやら、私だけじゃなかったらしい



ゴロッと雰囲気まで変わるんだから

使い分けているのか
素で、そうなるのか、謎だ











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