浅葱色の忍
君菊と話をする山崎をジロジロと
土方が見る


「なんやねん!!」


「烝華と違う!本当に女か?」


「女らしくなくて、悪かったな…」


「口も悪ぃ」


ドスッ


「……っ 乱暴だし
本当に…女か?」


「チッ どっち、疑うんかい!
ええよ!副長に女扱いされたないし!
着替えてくる!!!」


「烝華!手伝おか?」


「君菊姉はんは、優しいなぁ~
姉はんの旦はんは、こーんな怖い顔やのに
大違いどすなぁ~」


「ま!烝華ったら!」


土方にべぇーっと、舌を出し


「君菊いこ!」


「待て!!本当に女なんだよな!?
君菊!男だったら、すぐ叫べよ!!」


「土方はん……まだ、言ってはる」


「ほっとけ」







着替えを終え、山崎が土方にコソコソ



「戦が始まる その前に、きちんと話しろ
俺ら、先に戻るから」



「わかった……」






戦と聞き、動揺するが

君菊とちゃんと向き合うことが
出来るうちにと


土方は、残ることにした







店を出ると






「先に帰ったんじゃなかったのかよ」


「こいつらが、飲もうってうるさくて…」



斎藤が指さす先には



山崎と永倉と原田が、ニコニコと
肩を組んでいた



「よしゃ!帰って飲み直そうぜ!」


「賛成!!」





3人の後ろ姿を見ながら



「山崎は、土方さんが心配で残る口実を作ったんじゃないかな」


「かもな…
まあ、アイツ宴の時いなかったし
飲みたかったのかもな」


「いたでしょ…」


「あーー、まぎらわしい!!!
つーか……ってことは……
アイツ……かっちゃんと……」


「恋仲に決まってるでしょ
近藤さんが、山崎を見る目は
どう見てもそうですよ
今まで、気にならなかったんですか?」



「気になったが……
誤魔化されて、そのまま…」



「しっかりして下さいよ?」



斎藤に呆れ顔されつつ

これまでの事を思い起こして

屯所までの道のりで

山崎が女だと実感していくのだった

























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