浅葱色の忍
屋根上を走り、屯所を目指す山崎の前に

黒い影









「やはり新選組にも、忍がいたのか」



山崎は、ジッと睨む

雲の切れ間から、月明かり

山崎が、すでにクナイを構えていることに
気がつき


「今夜は、ご挨拶ということで…」



去ろうとする忍を追おうとするが

ぼわんっ!!


煙に包まれて、見失ってしまう



「チッ!」




舌打ちをして

再び屯所を目指す


「山南副長 池田屋が本命でした」
  

「やはり…土方君が間に合うといいのだけど
なにか、指示があったかな?」


「治療の支度を頼まれました」


「そうかい 頼みましたよ」


「はい」










皆が屯所に戻ったのは
すっかり陽が昇った昼前だった















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