ヤンキーくんに溺愛された臆病ウサギちゃん
誰だよ……見た目が怖いけど、ウサギを好きにさせた奴って……


「後……俺と一緒にいたのはたくさん傷付けた罪滅ぼしとして一緒に出かけただけ。菜々にはとっくに振られてるから。」


そうだったのか……
俺、疑ったりして最低だな。


「高松。」

「なんだよ?」


「菜々、強くなったな。」

「は?」

切なそうに茜色の空を眺めながら言う岡服。

「俺の知ってる菜々はすぐに泣いたりしていつも聖恵の後ろを歩いてた。
いつもなにかにびくびくしたり。
でも……今の菜々は何かいきいきしてるしちゃんと自分を持ってる。」


「バーカ。あいつが強いのなんて俺が1番知ってるよ。」


人一倍小さいけど、人一倍強い心を持った女だって思ってる。


「早くいけば?」

「は?」

「公園。菜々いるよ。」


まさか……こいつ、俺達のためにわざと会わせようとしてんのか?


「でも泣かせたら許さないから。
たくさん傷付けちゃったからお前が幸せにしてやってくれ。」


岡服--------


岡服は悪い奴じゃない。
今、そう確信した。



「さんきゅ。」


それだけ言うと茜色の空の下を全速力で走った。


あいつに……

菜々にもう1回好きだと言うために。
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