ヤンキーくんに溺愛された臆病ウサギちゃん
「真くん……」


後ろから声がして俺は振り返る。


そこにいたのは、小さくてふわふわしたウサギみたいな女。


「ウサギ。」


「どうしたの?」


ウサギはほんとに優しい。


普通だったら「後夜祭、なんで来てくれなかったの?」なんて聞くのに聖恵みたいに怒らない。


でも、今はその優しさが痛い。


「ねえ真くん……ちょっといいかな?」


潤んだ瞳で俺を見上げる。


今からする話はきっと、いい話なんかじゃない。
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