イケメン兄の甘い毒にやられてます

恋、してる

…その夜、圭吾にたくさんたくさん愛されて、幸せ一杯胸一杯の夕陽が、次の日の朝、それを更に噛み締めることになる。

「…ぃる」

ベッドの中、目の前には大好きな圭吾。

そんな圭吾は眠ったまま夕陽を抱き締めて離さない。

夕陽はフッと笑みを浮かべ、圭吾にしがみつく。

やっぱり圭吾が大好きだ。

声を大にして言いたいが、眠る圭吾を起こしてしまうのは可哀想。

しかも、近所迷惑。

だから夕陽はしがみつくことと、心の中で叫ぶことで、自己満足を得る。

「…苦しいよ、夕陽」
「…ふぇ?」

「…もう少し優しく抱き締めて?」
「…○×△□?!///」

突然声をかけられて、驚いた夕陽は飛び退こうとしたが、圭吾は夕陽を離す筈もなく。

「…夕陽、大胆だね」
「…なっ、いやっ、これは」

慌てる夕陽を圭吾はクスクスと笑う。

「…わ、笑わないで」

夕飯は恥ずかしくて、圭吾の胸に顔を埋めた。

圭吾は相変わらずクスクスと笑いながら、夕陽を抱き締めた。

「…可愛い」
「…可愛いくなんて、ないもん」

…恥ずかしくても、ずっとこのままでいたいと思ってしまう夕陽はいけない子なのか?

「…夕陽」
「…何ですか?」

「…大事な話があるのに、昨夜言えなかったんだけど」

圭吾の言葉に、夕陽の顔の紅さが引いていく。

「…大事な話」
「…うん、そう」

また、離ればなれとかじゃない、よね?

夕陽はみるみる顔をひきつらせていく。
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