イケメン兄の甘い毒にやられてます
「…な、そんな訳「…あるだろ?」

夕陽の言葉を遮り、春人が言う。

「…夕陽のお義兄さんに対する態度見てたらわかるよ」
「…」

「…そのメール見ただけで泣くとか、好きでもない相手ならそうならないだろ?」

「…ゴメン、」
「…何謝ってんの?俺に言われて初めて、自分の気持ちに気づいたって顔してるぞ」

夕陽は俯いた。

そんな夕陽の顔を覗きこみ、春人は続ける。

「…静って女の顔、ちゃんと見て、お義兄さんの言葉をしっかり聞いて、それでも好きなら告白すればいいし、諦めるなら諦めるでいいし。…夕陽には、俺って男がついてんだから、頑張れ」

「…春人」

「…なんなら、ついていこうか?一人で会うのが怖いなら?」

春人の言葉に、夕陽は首をふる。

「…ううん、一人で行ってくる。この目で、耳で確かめてくる」

「…よく言った。うん、頑張ってこい。ダメなときは、俺の胸貸すから」

「…なんで、さっきからダメなこと前提なのよ」

困ったように呟けば、春人は笑ってこう言った。

「…しょうがないだろ?フラれたからって、そう簡単に諦められるほど、夕陽への気持ちは簡単なもんじゃないし…あわよくば、付き合えたらって思ってるし」

「…」

「…バカ、そんな顔するなって…ほら、教室戻るぞ。咲がたぶん怒ってるだろうな」

「…そうだね…」

春人は夕陽の手首を掴むと、グイグイ引っ張って、教室に戻った。
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