black×cherry ☆番外編追加しました
「あの方が、黒崎さん、ですか」

「そう。怖かったでしょ」

「・・・はい」

嘘はつけず、私は素直に頷いた。

すると、「だよね」と言って男性陣が苦笑いした。

「悪い人と一緒にいたら、どっちが悪いかわからないレベルの人相だしね」

「ああ。岩田本部長の気持ちもわかるよ。大学生の女の子に、いきなり黒崎さんをつけるだなんて。怖がって取り調べが進まないことくらい、考えればわかるのに」

「まあなー・・・。でも、そういうの言ったらきりがない気もするけどね」

自論を述べる刑事さんたち。

ここで、そこまで聞き役に徹していた華英ちゃんが「ねえ」と言って話を切り出す。

「咲良は被害者なんでしょう?その黒崎って人、被害者にまでそんな怖い態度をとるんですか?」

「!」

男性陣が、「しまった!」という顔をした。

私もドキリとしたけれど、岡本さんが慌てて言い訳してくれた。

「あ・・・い、いや!そうなんだよ!誰にでも怖くてさー、たまに苦情がでるんだよ」

「そうそう。あの人はなんせ顔が怖いからなー・・・」

「そう。しゃべらなくてもいれば怖い」

「だな」

宮森さんたちも、笑いながら続けて話を合わせてくれた。

おかげで、「ふーん」と華英ちゃんは頷いて、美優ちゃんと涼香ちゃんも「感じ悪い人なんだねー」となんとか納得してくれた。


(後ろめたいな・・・。でも、みんな誤魔化してくれているし、できれば私も言いたくないし・・・)


複雑な思いでうつむくと、千穂ちゃんが突然「あっ!」と声を張り上げた。
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