black×cherry ☆番外編追加しました
それから。

岡本が羽鳥咲良を送るというので、仕方なくオレも付き合った。

現在、大学内に不審者はいないと思うけど。

「じゃあ・・・ありがとうございました」

気まずい雰囲気の中、送迎場所まで送って行くと、すでに迎えの車が到着していた。
 
高級な黒いセダン車。

こいつは、こんなので毎日通学してるのか。

「またね。あ、また、土曜日ね!」

岡本が、やけにテンパりながら手を振った。

なんとなく、イラッとする。

羽鳥咲良は、車の中でもう一度頭を下げていた。

あえてオレを見ないでいたが。

「・・・行っちゃった・・・」

車が去ると、岡本がぼそっと呟く。

そして、はっとしたように突然オレに詰め寄った。

「てゆーか黒崎さん!!咲良ちゃんに何したんですか!?」

「・・・別に。何も」

「何もって!じゃあなんで咲良ちゃんが好きになったりしちゃうんですか!?」


(・・・知るか・・・)


逆に、なんであんなことを言いだしたのか、オレの方が聞きたいくらいだ。

本気だとは思えないが。

「オヤジをからかってんだろ」

「い、いやいやいやいや・・・、咲良ちゃんは、男をからかうような子じゃないですよ!」

「じゃあなに?本気?・・・なわけねーだろ」

正直、言われた時はドキリとした。

けれどすぐ、そんな自分に嫌気がさした。

「いや、まあ、本気かと言われたらオレも疑いたくはなるんですけど・・・でも、咲良ちゃんがからかうとも思えないし・・・」

「えー!?そしたら本気!?」と、岡本は一人悶絶している。
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