black×cherry ☆番外編追加しました
大学四年の7月は、就職活動に多忙な時期だ。
千穂ちゃんは、本とカフェが好きなので、書籍販売やカフェを経営する大手企業が第一志望。
その面接がいよいよ来週に迫っているため、メールアプリでは、よく不安の言葉を漏らしている。
私はそれに励ましの言葉をかけることしかできないけれど、千穂ちゃんが合格するよう心の中でも願ってる。
また、私が所属するバイオリンサークルの同級生や、華英ちゃんや美優ちゃんたちは、それぞれ内定をもらった企業があるため、少し余裕がある感じ。
そして私は。
推薦で大学院への内部進学が決定したため、ある意味、このまま落ち着いた夏休みを過ごすことができそうだった。
三年生の時点では、卒業後は就職をするつもりでいた。
「これになりたい」「ここで絶対に働きたい」という大きな夢や目標は見つからないでいたけれど、「大きなオフィスで働いてみたい」という思いだけはあったから、当然の如く、四年生になったら本格的に就職活動を行うつもりで過ごしていた。
けれど、あの事件があった後、家庭内の動向が大きく変わった。
両親が、私が社会に出るのを心配したし、何より、父方の祖母であり羽白総合病院の理事長でもあるおばあさまが、私の就職を強く反対したのだった。
『学生のうちから男遊びをするなんて。これ以上目が届かなくなったら、なにをするかわからないわ』
おばあさまは、その昔、桜葉女子学院の生徒だった。
私と同じく、幼稚科から通っていて、すべての学生時代を桜葉女子で過ごした人だ。
千穂ちゃんは、本とカフェが好きなので、書籍販売やカフェを経営する大手企業が第一志望。
その面接がいよいよ来週に迫っているため、メールアプリでは、よく不安の言葉を漏らしている。
私はそれに励ましの言葉をかけることしかできないけれど、千穂ちゃんが合格するよう心の中でも願ってる。
また、私が所属するバイオリンサークルの同級生や、華英ちゃんや美優ちゃんたちは、それぞれ内定をもらった企業があるため、少し余裕がある感じ。
そして私は。
推薦で大学院への内部進学が決定したため、ある意味、このまま落ち着いた夏休みを過ごすことができそうだった。
三年生の時点では、卒業後は就職をするつもりでいた。
「これになりたい」「ここで絶対に働きたい」という大きな夢や目標は見つからないでいたけれど、「大きなオフィスで働いてみたい」という思いだけはあったから、当然の如く、四年生になったら本格的に就職活動を行うつもりで過ごしていた。
けれど、あの事件があった後、家庭内の動向が大きく変わった。
両親が、私が社会に出るのを心配したし、何より、父方の祖母であり羽白総合病院の理事長でもあるおばあさまが、私の就職を強く反対したのだった。
『学生のうちから男遊びをするなんて。これ以上目が届かなくなったら、なにをするかわからないわ』
おばあさまは、その昔、桜葉女子学院の生徒だった。
私と同じく、幼稚科から通っていて、すべての学生時代を桜葉女子で過ごした人だ。