black×cherry ☆番外編追加しました
「あらー・・・そうなんだ。きっと、その食事会で婚約しちゃう感じよね」

「・・・多分・・・」

「そっかあ・・・。延期になったのはとりあえずよかったとして・・・。いつかは確実に、その日が来るんだろうしね」

「はい・・・」

「そっかあ・・・」と、佐和子おばさまの悩む声。

婚約までしてしまったら、後戻りはきっとできない。

「難しいなあ・・・。簡単にはいかなそうだけど、どうにかして婚約解消できたらいいよね。

このままイケメン先生と結婚しても、『やっぱり私は・・・!』とか言って、咲良は家出とか駆け落ちとかしちゃいそうだし」

おばさまは途中、私のモノマネらしきものをした。

複雑な気持ちになって、私は反論したけれど。

「いやー・・・咲良は結構、思いつめてそういうことしちゃうと思うんだよねえ。

それが心配なのももちろんあるけど、伯母として、咲良には幸せになってもらいたい。フツーに、好きな人と一緒になってもらいたいなあ・・・」

思いを馳せるようにおばさまが言う。

「何かしてあげたいけど、私が口出しするとお母様が絶対逆上しそうだし。とりあえずは見守るね。あ、でも、何かあったらいつでも言って。その時は力になるよ」

「だからがんばって」とエールをもらい、私はとても嬉しくなった。

初めての、身内の味方。嬉しくて、心強い。

「ありがとうございます」

「うん。・・・でもさ。咲良って、容姿も環境も恵まれてるのに。なんでかいつも、つらい恋を選んじゃうのねえ」

佐和子おばさまが苦笑した。

私はまた、複雑な気持ちになってしまった。











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